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気まぐれに更新する小説ブログ。
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2009年10月18日 (Sun)

1つ目。
「ありがとう」です。
純粋な日雛です。

↓よりw


[ありがとう]

「はい」
「あ?」
突然差し出した包みに、日番谷くんは驚いていた。
そんな彼に少し笑って、また「はい」と包みを差し出す。
元々彼が覚えてるなんて思っていない。
予想通り、彼の驚く顔が見れた。
「なんだ?」
「今日が何の日か覚えてないの?」
「全くな」
やっぱり。
「今日はね、私と日番谷くんが出会った日なんだよ」
「え?」
「ずーっと昔の話だけどね」
私の発言を受けて、彼は怪訝そうな顔をしている。
「・・・お前、今までこういう事しなかったじゃねぇか」
そう、彼の表情の理由は、この日を祝ったのが初めての事だったから。
正確に言えば、幼い頃にした事はあるけど、きっと彼は覚えていないんだろうなぁ・・・。
「あのね、日番谷くんに言いたかったの」
「何を?」
「ありがとうって・・・」
笑顔でそう言ったら、彼は顔を逸らした。
照れ隠しだとすぐに分かった。
「何で礼なんか言うんだよ」
「日番谷くんに出会えて、今の私がいるから」
「それなら藍染に言えよ」
言って日番谷くんは不機嫌そうな顔をした。
私が藍染隊長に憧れてるのを知ってるからそう言ったんだろうけど。
確かに藍染隊長もだけど、日番谷くんのほうがもっと大きい。
死神となる前から一緒にいる日番谷くんのほうが。
幼い頃から、私を支え続けてくれている日番谷くんのほうが―
「日番谷くんに言いたかったんだもん」
「そうか」
思ったよりも機嫌を損ねてしまったみたいで、素っ気無くなってきてしまった。
「・・・じゃ、私戻るね」
それ渡したから、と続けて、私は彼に背を向けて歩き始めた。
本当は日番谷くんから「ありがとう」が返ってくる事を少し期待していたのだけど。
彼が滅多に言わない事を知っているから、すぐに諦めがついた。
ちょっと残念に思いながら、扉に手をかける。
「雛森」
ガラッと開けた瞬間に聞こえた日番谷くんの声に振り向く。
「何?」
「・・・・・・ありがとう」
それは少しの間の後に、小さな声で発せられた。
驚いたけど、望んでいたものだから嬉しかった。
「うん!!」
笑顔を向けて、部屋を出た。

「嬉しいなぁ」
隊舎に行きながら先程の彼を思い出す。
少し頬を赤らめて、視線が下の方を彷徨っていた日番谷くんの顔。
それが幼い頃の彼を思い出させて。
いきなりでも、祝ってよかったなぁと思った。
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言葉お題一つ目。
「ありがとう」はやっぱり日番谷で。
日番谷の「ありがとう」や祝福は滅多に言わないだけに、凄い特別な気がします。
でも、いつかのドラマCDみたいに、雛森には素直に言えてたら良いなぁ・・・とw
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