当サイトはオリジナルを扱わなくなったんですが。
一応、記録として載せておきます。
ここに載るだけで、小説ページには載せません。
↓に載せていってますので、読みたい方はどうぞ。
オリジナルなので、勿論日雛は関係ありませんので。
ちなみに、今回は見直し0の状態で出したので、誤字が凄いです。
この中にも沢山・・・。
直すのも面倒なので、そのままで載せちゃいますが(おい
見つけたらスルーの方向で。
では↓よりw
『ごめん。いきなり呼び出しちゃって』
『いや良いけど。課外の前だったしな。どうした?』
『・・・あのね』
『ん?』
『私、五十嵐君のことが好きなの!!』
『え?』
『中学の時からずっと・・・』
『・・・ごめん』
『え?』
『今は返事できない。考えたいし、受験に集中したいんだ』
『そっか・・・』
『受験終わるまで待っててくれ』
『うん!!』
人生初の告白で、口から心臓が飛び出しそうな状況で言った『好きです』という言葉。
彼から返ってきた言葉は、承諾でもなく、拒絶でもなく、保留だった。
どうもすっきりしないなぁ、とそう思ったけど、私達は受験生。
こんな時に告白した私が悪いんだと、少し反省。
だけど、彼に気持ちを伝えて良かった―
恋する乙女みたいに(そうだけど)ウキウキしてた高3の夏―
[幸恋思愛]
「あれから半年かぁー・・・」
自宅のソファーに座りながら考える。
今の私に、あの夏のようなウキウキは無い。
2月。
卒業まであと1ヶ月。
受験戦争が終わり、4月からの新生活の準備をするための宅習期間中。
それなのに彼から返事が無いからだ。
実際、彼の受験も終わっているのにだ。
『受験終わるまで待っててくれ』と言ったのは彼なのに。
「伊亜李また脹れてるの?」
「里衣・・・」
丁度来ていた里衣が話しかけてきた。
彼女は私の友達で、恋の相談相手であった。
恋愛経験は無いみたいだけど、よく恋愛小説を読んでて詳しいので相談にのってもらっていた。
里衣がいたからこそ告白する勇気が持てた。
「五十嵐くん、返事の事考えてたら恥ずかしくなったんじゃない?」
「そうかなぁ・・・」
「そうだよ。ああいう男の子ほど、恥ずかしがり屋さんだと思うわ」
確かにそれもあると思う。
五十嵐浅緋くんは、成績優秀、スポーツ万能な優等生。
中学時代から女の子によくモテていた。
私もその一人で、ずっと思いをよせていた。
ファンクラブの人みたいに表に出したりしなくて、本当にこっそりと。
そんな恋が動き出したのは高校の入学式―
私は急いでいて前を見てなかった。
そのおかげで誰かにぶつかってしまった。
『あ、ごめんなさい!!』
『いや、大丈夫だ。・・・お前、華山?』
『え?』
呼ばれて前を見たら彼がいた。
彼が私の苗字を知っていた―
『中学一緒だっただろ?』
『うん・・・でも、話したことないじゃない・・・』
『星山と一緒に図書室にいただろ』
『うん・・・』
確かに、里衣が図書委員だから、一緒によく図書室に行っていた。
―五十嵐君目当てだったけど
遠目から見てただけなのに、彼は私のことを知っていたらしい。
立ち上がる彼を見ながら、嬉しかった。
『気をつけろよ』
『ごめんね、ありがとう』
『あぁ』
素っ気なく返事をして彼は行ってしまった。
それから彼と話すようになった。
彼は無口だから会話が続かなかったりしたけど、本の話になると話が弾んだ。
彼と話をする為に本を読んでいた。
仲良くなれて、やっぱり一緒にいたいと心から思えたから彼に告白した。
大学は違うし、このまま別れるのは寂しかったから―
五十嵐君はやっぱり違うのかなぁ―?
返事をもらえない事自体が答えのような気がして不安だった。
「あの時の返事は?」とも聞き難い。
もう少し待ってみよう―
そう思いながら溜息を吐いた。
数日後。
気分転換に、本屋さんへ行く事にした。
街の中にある小さな本屋さんへ―
街は凄く賑わっている。
平日だからか、OLさんやサラリーマンが多かった。
平和な日常を眺めながら本屋さんへと入る。
いつもは彼と話を合わせる為に、推理小説のコーナーに行くが、今日は恋愛小説のコーナーに行った。
背表紙を見て、1冊の本に目が止まる。
『繁思愛』というタイトルの本を開いてみる。
引っ越してしまった好きな人を追いかけて、一生懸命頑張る主人公がそこにいた。
告白し、『お前が俺を追いかけてきたら考えてやる』という想い人の返事で保留にされ、その答えを聞くために追いかける主人公が。
「あ・・・」
思わず声を上げてしまった。
同じだ、と。
ここまで大きくないが、自分も聞きたい一人なのだ。
だが、その本を読み進めると違う事があった。
想い人はちゃんと覚えていた事―
そして、しっかり返事を伝えている事―
「大切な人ならちゃんと覚えてるよね・・・」
益々落ち込んでしまった。
その先を読むのが辛くなり、本を本棚に戻す。
―やっぱり推理小説を読もう
そう思って、推理小説のコーナーへと行く。
最初から推理小説にすれば良かった・・・と思いながら足を進める。
でも、それを後悔したくなった。
「・・・華山?」
「五十嵐君・・・」
推理小説のコーナーには彼がいたのだ。
「久しぶりだな」
「・・・うん」
店を出て並んで歩く。
―今日はツイてない
彼も知ってる店で、話したりするのに。
彼に会いたいと思っている自分がいたのだろうか。
「暇で本を読むしかする事が無くてな」
「そうだね」
「数十冊読んじまった」
「そうなんだ!」
「・・・どうした?」
私の返答に違和感を感じたのだろう。
彼は聞いてくる。
「え?」
「もっと突っ込んでくるだろ」
「そうかな?」
「・・・どうした?」
優しくしないで―
告白の返事くれないのに―
「・・・五十嵐君は」
「ん?」
「私の事、嫌いなんでしょ?」
「は?」
我に返ると、驚いている彼の表情。
どうやら、心の中だけで思っていたことを口に出してしまったらしい。
もう巻き戻せない。
踏み出すしか道は無い―
「・・・告白の返事、くれないじゃない!!!」
「・・・え?」
「覚えてないの?」
「・・・いや、その」
やはり覚えてなかった。
彼にとって私は、その程度だったんだ―
「・・・いいよ、もう」
「・・・おい」
「ありがとう、楽しかったよ」
「待てって!」
聞く耳なんか持てなかった。
そのまま彼を置いて走り出した。
「・・・やっぱり、そうなんだ」
だいぶ走って、今は家の近くの公園のブランコに乗っている。
「五十嵐君にとっての私って何も思ってなくて、只の本の話が出来る人なんだ・・・」
涙が止まらない。
彼が自分を何とも思っていないことなんて、最初から分かってたはずなのに―
「それでも期待してた自分がいるのは・・・どうして・・・?」
自分の本当の気持ちが分からない。
「・・・恋って・・・こんなに自分の気持ちが分からないぐらい大きいもので、終わっても消えたりしないで、心に残るものなのね」
例え叶わなくても何かが残る。
それは、とても良い気持ち―
「・・・帰ろう」
静かにブランコを降りて、家路へ急いだ。
それから数週間が経った。
いよいよ、卒業式となってしまった。
五十嵐君とは大学が違うので、今日で会えなくなる。
それで良いと思う。
彼を困らせなくて済む―
そう思う自分は、やっぱり何処までも彼が好きなのだろう。
でも、今日で終わり。
高校生活と共に卒業する―
この日までずっと考えて出した結論だった。
自分に後悔は無い。
そう言い聞かせながらの―
式典の最中も、チラチラと彼を見ていた。
名前を呼ばれる姿。
代表で卒業証書を受け取る姿。
答辞を述べる姿。
しっかりと目に焼きつけ続けた。
この恋を思い出とするために―
式典が終わり、クラスでのホームルームも終わり。
私は家路へ向かっていた。
両親が車で来ていたけど、歩きたい気分だったから歩いて帰って来た。
「華山!!」
校門を出た直後、不意に後ろから声。
―五十嵐君の声だ
大好きだった声。
でも、それは幻聴だろう。
歩き続ける。
「華山!!」
これは幻聴だ。
聞こえるはずがない。
それ以前に、今会いたくない。
だって、私の事は何も思っていないはずだ。
只の本の話が出来る人だって―
其の程度の存在なんだって―
「・・・・・・っ伊亜李!!」
思わず振り向いてしまった。
名前で呼ばれたのは初めてだった。
振り向いた私を見て、五十嵐君が近付いてくる。
凄く必死な顔をしていた。
こんな彼の顔を見るのは初めてで。
「・・・なに?」
「悪かった」
「何が?」
「俺の気持ち、ちゃんと伝えられなくて」
五十嵐君の気持ち?
それは私が嫌だってことじゃないの?
「お前が好きだ」
「・・・無理しなくて良いよ」
「無理してねぇよ」
「私の事気にしなくて良いよ。ちゃんと分かってるから。話せる人だもんね。それ以上には・・・「そうじゃねぇ!!」
私の言葉を遮って叫ぶ五十嵐君。
凄く必死だった。
「忘れてた訳じゃなくて、何て言ったら良いか分からなかったんだ」
「・・・え?」
「お前に対する気持ちは大きくて、言葉に出来なくて・・・」
「それって・・・」
「・・・お前の事、ずっと見てたからさ」
『里衣、それ何ていう小説?』
『君伝心紙よ』
『凄いタイトルだね!どんな話なの?』
『恋愛小説よ』
『恋愛小説って・・・それじゃ分からないじゃない』
『伊亜李の今みたいな話かな』
『え?何それ~』
『恋する女の子って事』
『・・・恋愛小説だったら、恋する子出てくるでしょ!!』
『うふふ』
『もう、真面目に答えてよ!!!』
「図書室で、星川と楽しそうに笑ってるの見てから・・・あんな風に俺にも笑ってくれたらってずっと思ってたんだ・・・」
「五十嵐君・・・」
「お前に好きな奴がいるって分かった時諦めようと思った。それで、いい加減に諦めようと思ったのが丁度高3の夏で、告白された時、どうして良いか分からなかった。だから時間を作ったんだ」
言いながらどんどん五十嵐君の顔が赤くなっていくのが分かった。
思わず、くすっと笑ってしまった。
「なんだよ・・・」
「五十嵐君、可愛いね」
「なっ!」
「五十嵐君も、そういう面があるって分かって良かった」
「あのなぁ・・・」
私の言葉に彼は呆れ顔を浮かべた。
それが嬉しくて笑顔になる。
「・・・私の事、本当に好き?」
「あぁ」
「本当に?」
「信じられないなら証明する」
彼の言葉に聞き返そうと思い口を開いたら、彼の唇に塞がれた。
暖かい―
「・・・分かったか?」
「十分すぎるぐらいだよ」
2人して笑った。
嗚呼―
これは夢でしょうか?
自分の見てる都合の良すぎる夢だ。
頬をつねっても痛いけど、夢でしょう―?
この恋はもう終わったはずじゃなかったの?
「どうした?伊亜李」
「ん?何でもない!」
「そうか?」
彼と手を繋いで並んで歩けてるなんて、嘘に決まってる。
まだ信じられない―
「大学違うけど、連絡するから」
「うん」
「休みには本屋に行こう」
「うん」
「伊亜李?」
「ううん!何でもないの!!」
自分の考えに浸ってた私にかかる彼の優しい声と眼差し。
やっぱり夢じゃないんだ―
そう思えた。
人生初の大恋愛。
告白までした初めての恋愛。
残ったのは―
彼の声と、幸せの欠片―
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うわぁ・・・口調がバラバラ(苦笑
話が蛙みたいに飛んでってる;;;
やっぱり、スランプ中に書くものでは無いなぁ・・・。
微妙ですいません;;;
今更ですが、
ヒロイン:華山 伊亜李(はなやま いあり)
ヒーロー:五十嵐 浅緋(いがらし あさひ)
友達:星井 里衣(ほしい りい)
でした。
曖昧にしか出てこないんで、ここでまとめて書いておきます。
・・・ここだけの話、日雛の2人が書きたいと思いながら書いてたので、口調が・・・(滝汗
※作中に出てくる本のタイトルは、こちらが勝手に作ったものなので、もし存在したとしても関係ありません!