↑の続きになります。
というわけで教パロ設定。
↓よりどうぞw
6月3日。
「うぅ・・・やっぱり寂しい・・・」
職員室で仕事をしながら唸る雛森の姿があった。
「あらあら・・・雛森先生、日番谷先生不足?」
そんな雛森に松本が声をかける。
「乱菊さん・・・」
「あんたぐらいね、あの人がいなくてへこむのは。ギンなんか仕事サボれるから大喜びしてるわよ?」
3年生の学年主任である市丸はよく仕事を放棄する。
それを叱って仕事させるのが日番谷なのである。
「普通の日だったら少し寂しいで済みますよ、私だって」
「そうよねぇ・・・今日はあんたの誕生日だもんねぇ」
誕生日を一緒に過ごせないと知って泣きついたのは数日前。
一緒に過ごすつもりで休みにしておいたのだが無くなった為に、雛森は朝から普通に仕事しにきていた。
「ったく・・・仕事熱心なんだから・・・可愛い彼女を泣かせてまで仕事するなんて・・・」
「仕方ないですよ。大事な会議なんだし、やっぱり出ないわけにはいかないし」
「あんたも真面目よね・・・本当に」
2人して真面目なんだから、と松本が溜息を吐く。
「その代わり今度の休みに構ってくれるって約束しましたから」
「本当かしら・・・また仕事するんじゃない?」
「そんな事ないです!日番谷くんは約束やぶりませんよ!急な仕事は仕方ないですけど!」
「そうかしら?」
「そうです」
疑いの目を向けてくる松本に、雛森は即答した。
夜。
「・・・はぁ」
相変わらず、落ち込んだまま雛森は家路についた。
「寂しいよ・・・日番谷くん」
自分の誕生日が終わりに近付くにつれ、日番谷と祝えないことの悲しさが大きくなっていた。
「せめて電話くらいしてくれたって良いじゃない・・・」
今日は一度も連絡を貰っていない。
いつもなら必ず連絡をしてくるのにも関わらず。
≪ピンポーン!≫
不意にインターフォンの音。
「はーい・・・」
桃は落ち込んだまま、玄関のドアを開ける。
「どちら様ですか?」
そこに居たのは。
「お前、それ開けてから言う台詞じゃないだろ」
「えっ!?日番谷くん!?」
インターフォンを押した者は、雛森が会いたくて堪らなかった人物で。
「どうして!?ねぇ、どうして!?」
「不注意にも程があるぞ、桃」
呆れている日番谷になんて構ってられない。
目の前に居る人物が本当に日番谷なのか確かめていた。
「人の質問に答えてよ!ねぇ、本当に日番谷くんなの!?」
「他の誰に見えるんだよ」
「うぅ・・・日番谷くん!!」
日番谷の返答を聞き、雛森は思いっきり抱きついた。
「うぉ!?」
日番谷が驚いた声をあげる。
「日番谷くん・・・会いたかったよ~」
「分かったから・・・とりあえず、中入れてくれるか?」
近所迷惑になるしな・・・と続けて苦笑する。
雛森も苦笑を返して、一旦日番谷から離れ、中に招き入れる。
リビングのソファーに並んで座ったところで、雛森はまた日番谷に抱きついた。
「どうして?今日泊まりだったんじゃないの?」
「そうだったんだが・・・予定より早く終わって新幹線がある時間だったから帰ってきたんだが・・・帰ってきて良かったな」
自分を抱きしめたまま放さない雛森に、日番谷も抱きしめ返した。
「凄く寂しかったんだもん・・・連絡くれないし・・・」
「驚いた顔見たかったら黙ってた」
「もう・・・日番谷くんったら」
いつもの会話が今日は愛しくて堪らない。
「・・・誕生日おめでとう、桃」
日番谷は雛森から離れ、目を見て言った。
その言葉に雛森から涙が溢れた。
「ありがとう・・・シロちゃん・・・」
やってきた唇を素直に受け入れる。
「今年のプレゼントは日番谷くんだね・・・」
「何だそれ」
呆れても何度も口付けてくれる日番谷に微笑んで。
幸せにただ身を任せていた。
----------------------------------------------------------------
教パロ2つ目。
続きがどうしても書きたかったので。
ちなみに、日番谷は雛森が思っている以上に、駅を走ったのでしたw(笑